Friday, August 14, 2020

ヘザー花盛りのハワース





 二度目のハワース・ウォーキング、 ヘザーの季節に合わせて歩いてきました。

ハワースと言ったら ブロンテ姉妹。シャーロット、エミリー、アンの小説家三姉妹が短い生涯のほとんどを過ごしたところです。町の小高い丘のてっぺんに立ってる教会、その教会で牧師を務めた父パトリックは北アイルランド出身でケンブリッジ大学で神学を学びました。卒業後 イングランドの数カ所で牧師として務めた後、ハワースの教会で働く事になります。妻と6人の子供達と教会に隣接する牧師館で暮らすためやってきたのは、彼42才、1820年の事でした。今回のウォークもこの牧師館からスタートして 一周約12kmです。
前回のブログはこちら(リンク



今は博物館になっている牧師館に沿って奥に進んでいくとフットパスのサインが見えてきます。暫く歩くと見えてくるのがこの景色。貯水池Lower Laithe Reservoir の建設が始まったのは1911年 ブロンテ姉妹の時代から100年近く後の話ですが 周りの Moor, Moorlandと呼ばれる湿原からの水が水源になっています。写真の奥に広がるMoorlandにぽっつり残っている 農家の廃墟、Top Withens/ トップ ウィゼンス がこのウォークの目的地。エミリーブロンテの小説 嵐ヶ丘の主人公ヒースクリフを養子にしたアーンショー家のうちのインスピレーションになったと言われています。

   
Top Withens までの約中間地点がここ
   天気の良い週末や夏休み中はお弁当を広げてる家族づれが一杯。
   South Dean Beck( Beckは小川のことです)にかかる石橋がブロンテ橋。

   脇の小道を少し登ると奥には Bronte Fall / ブロンテ滝
   とっても小さな滝です、、、。


    Bilberry ヨーロピアンブルーベリーとも呼ばれる ビルベリー まさにブルーベリーの味     です。中世の頃から薬用としても使われていたビルベリー、ビタミンCたっぷり。

 殆どの家族れグループはここで引き返してハワースの街に戻っちゃいます、、、     
 でも 醍醐味はこの先この先!


 
紫の絨毯 この湿原に育つヘザー
  写真の上 真ん中にポツンと木が立ってる所がTop Withins
なだらかな丘を登って進みます。



エミリーが嵐ヶ丘を発表したのは彼女が亡くなる1年前、29才だった1847年のことです。
でも作品の評価が高まったのは彼女が亡くなって暫くしてからの事、、、嵐ヶ丘が ”世界3大悲劇” にまで選ばれた成功を 彼女自身は見る事がなかったのです。

さて 風が吹き荒れ 雨が多くて寒い湿原では育つ植物も限られてきます。そんなMoorlandで元気に育つのが 俗にヘザーと呼ばれる常緑の低木。厚い絨毯のように固まって育ち湿原に広がっています。クリスマスツリーのような針のように細い葉は風が吹き続けても水分を逃さないような利点があります。
ヨークシャーの湿原に育つヘザーは主に3種類。
Bell Heather ,  Cross-leaved Heather そして Ling。とっても小さなピンクの花を8月中旬から咲かせる   Ling が一番多い種類です。

Curlew/ ダイシャクシギやRed Grouse/ライ鳥の一種  など 地面に巣を作る鳥たちはヘザーの低木のなかに巣を構え 外敵から卵を守ります。
Curlew



Red Grouse



特徴のある Red Grouse の鳴き声が聞こえてきます。





帰りみちは Stanburyの村を通って、、、
パブの名前は Wuthering Heights 嵐ヶ丘






ブロンテ一家(アンを除いて)の眠るハワースの教会

No comments:

Post a Comment