Tuesday, August 18, 2020

Swaledaleで2つのウォーキング

 



北ヨークシャーのスウェルデールで

2つのウォーキングを楽しんできました

Dale(デール)とはValley(バレー)/谷のこと、イギリスの北のほうで使われる言葉です。
古英語、古スカンジナビア語にもルーツがあるそうで、イギリスの北はその昔ヴァイキングに侵略されていた時代があったことが思い出されます。ヨークシャーにはたくさんのデールがあるので まとめてヨークシャーデールとして知られ ウォーカー達に人気の場所です。

今回のウォークはSwale(スウェル)川沿いのSwaledale, 大きな街もなく、観光名所もこれ!というのが無いものの ウォーキングを楽しむには素晴らしいところです。


WALK 1 Richmond リッチモンドの町から約10kmのサーキュラー





中世には北ヨークシャーの羊毛産業の市場の中心として栄えたところ、町の中心に立つリッチモンド城の歴史は11世紀まで遡ります。




石橋からスウェル川の眺め



野原に咲くGreat Burnet/ワレモコウ



人気のウォーキングルートCoast to Coastルートの一部




サンドイッチ休憩


Fireweed/ヤナギラン
日本語と英語では随分雰囲気が違う花の名前



ぐるっと一周 また町に戻ります




WALK2 Muker からKeldを通って一周 7.5Km





Richmondから西に移動して Mukerの街からスタート







クルッとした角のある地元の羊 スウェルデール羊、羊毛にチーズにと昔は大活躍。
今は乳牛のスウェルデールチーズも大人気、スウェルデールの牧草を食べて育った羊、牛のミルクから作られるチーズは 一味違うんだそうです。





大自然独り占め、、、今のスウェルデールはヨークシャーデールの中でもあまり開発されてない最もピースフルな場所。18-19世紀は鉛の採掘が盛んだった所です。



腹が減っては戦はできぬ、、、、
スウェルデールのかなり気に入りました、また来たーい。

Friday, August 14, 2020

ヘザー花盛りのハワース





 二度目のハワース・ウォーキング、 ヘザーの季節に合わせて歩いてきました。

ハワースと言ったら ブロンテ姉妹。シャーロット、エミリー、アンの小説家三姉妹が短い生涯のほとんどを過ごしたところです。町の小高い丘のてっぺんに立ってる教会、その教会で牧師を務めた父パトリックは北アイルランド出身でケンブリッジ大学で神学を学びました。卒業後 イングランドの数カ所で牧師として務めた後、ハワースの教会で働く事になります。妻と6人の子供達と教会に隣接する牧師館で暮らすためやってきたのは、彼42才、1820年の事でした。今回のウォークもこの牧師館からスタートして 一周約12kmです。
前回のブログはこちら(リンク



今は博物館になっている牧師館に沿って奥に進んでいくとフットパスのサインが見えてきます。暫く歩くと見えてくるのがこの景色。貯水池Lower Laithe Reservoir の建設が始まったのは1911年 ブロンテ姉妹の時代から100年近く後の話ですが 周りの Moor, Moorlandと呼ばれる湿原からの水が水源になっています。写真の奥に広がるMoorlandにぽっつり残っている 農家の廃墟、Top Withens/ トップ ウィゼンス がこのウォークの目的地。エミリーブロンテの小説 嵐ヶ丘の主人公ヒースクリフを養子にしたアーンショー家のうちのインスピレーションになったと言われています。

   
Top Withens までの約中間地点がここ
   天気の良い週末や夏休み中はお弁当を広げてる家族づれが一杯。
   South Dean Beck( Beckは小川のことです)にかかる石橋がブロンテ橋。

   脇の小道を少し登ると奥には Bronte Fall / ブロンテ滝
   とっても小さな滝です、、、。


    Bilberry ヨーロピアンブルーベリーとも呼ばれる ビルベリー まさにブルーベリーの味     です。中世の頃から薬用としても使われていたビルベリー、ビタミンCたっぷり。

 殆どの家族れグループはここで引き返してハワースの街に戻っちゃいます、、、     
 でも 醍醐味はこの先この先!


 
紫の絨毯 この湿原に育つヘザー
  写真の上 真ん中にポツンと木が立ってる所がTop Withins
なだらかな丘を登って進みます。



エミリーが嵐ヶ丘を発表したのは彼女が亡くなる1年前、29才だった1847年のことです。
でも作品の評価が高まったのは彼女が亡くなって暫くしてからの事、、、嵐ヶ丘が ”世界3大悲劇” にまで選ばれた成功を 彼女自身は見る事がなかったのです。

さて 風が吹き荒れ 雨が多くて寒い湿原では育つ植物も限られてきます。そんなMoorlandで元気に育つのが 俗にヘザーと呼ばれる常緑の低木。厚い絨毯のように固まって育ち湿原に広がっています。クリスマスツリーのような針のように細い葉は風が吹き続けても水分を逃さないような利点があります。
ヨークシャーの湿原に育つヘザーは主に3種類。
Bell Heather ,  Cross-leaved Heather そして Ling。とっても小さなピンクの花を8月中旬から咲かせる   Ling が一番多い種類です。

Curlew/ ダイシャクシギやRed Grouse/ライ鳥の一種  など 地面に巣を作る鳥たちはヘザーの低木のなかに巣を構え 外敵から卵を守ります。
Curlew



Red Grouse



特徴のある Red Grouse の鳴き声が聞こえてきます。





帰りみちは Stanburyの村を通って、、、
パブの名前は Wuthering Heights 嵐ヶ丘






ブロンテ一家(アンを除いて)の眠るハワースの教会

Tuesday, July 7, 2020

Bolton Abbey and The Strid


7月に入りイギリスも徐々にロンクダウンが緩和されてきました。
今回のウォークは北のヨークシャー、
ロックダウン以来初のウォーキングです。




スタートは Bolton Abbey (リンクします)
Bolton Abbeyは12世紀に創立された修道院、16世紀の
修道院解散令とともに 続行中だった建造もそこで中断され
東側は廃墟として残っているだけですが、教会としての機能は続いており
19世紀には ロンドンの国会議事堂の建築家として知られている
オーガスタス ピュージンが大窓のデザインを手がけています。

周辺の土地は過去数々の貴族たちが所有してきましたが
18世紀中頃 所有者だった地元出身の貴族バーリントン伯爵が
亡くなり 土地を相続した娘が4代目デボンシャー公爵と結婚した
ことから250年近くデボンシャー公爵のヨークシャーの領地となっています。

領地は3万エーカーの広さ、東京世田谷区の約2倍!
森林、moorland 湿原、農耕地を含み ワーフ川沿いのウォーイング
ルートなども整備されて 観光地としても人気の場所です。





Bolton Abbey には何箇所か駐車場がありますが
今回利用したのは Village Car Park
コロナの影響で 今は全てプリブッキングのみ
公衆トイレも綺麗でソーシャルデイスタンスを考慮に入れ
簡易トイレも別に設置してあり これからのホリデーシーズン
に備え 準備万端という感じでした。
(さすが商売上手なデボンシャー公爵!)




駐車場から歩いて3分 ボルトンホールの
向かい側にフットパスの立て札があります。





暫く歩くと森の入り口



森の中は ジギタリスFoxgloveの花盛り
この花を見るといつも
新見南吉の童話 手袋を買いに
を 思い出す〜






BirdNETのアプリで鳥の鳴き声を録音すると
何鳥か教えてくれる、いたずらして口笛で真似して録音したら
Human って出てくるし、、、賢い!






森を抜けると広々とした牧草地
石に青いペンキでルートが示されています。
目指すは遠くに見えるMiddle Hare Headの丘











正にヨークシャーデールの風景
遠くにポストマンパットの赤いヴァンが走ってたら最高!






Moorland湿原を抜けて
Strid Visitor Centreまで






この先は River Whrfe ワーフ川沿いに
整備された歩道を歩いてアビーまで













 湿原でぬかるみに片足突っ込みぐちゃぐちゃの靴下
お日様が出てきたし 一休みして乾かしてるところです。

久々のウォーキング 1周 約10km
楽しかった。






Saturday, January 11, 2020

”歩いてこそ”のハドリアヌスの長城


大型バスや車で行って ハドリアヌスの長城を写真ストップ、
英国周遊ツアーでよくある行程です。

ハドリアヌスの長城は 紀元122年 時のローマ皇帝ハドリアヌスの命により
建造された118kmにも及ぶ長城。
どんどん領土を広げた古代ローマ帝国の最北西の境界線でした。

防御壁が続いているだけではなく1.5kmごとに監視所があったり
約6km間隔で要塞も建ててありました。
今はもう端から端まで残っているわけではないので
スポット スポットをイングリッシュヘリテッジなどが管理して
見学できるようになっています。

前日 聖なる島リンダスファーンを訪れるために泊まった
B&Bにこんなのが置いてありました。

 
”ノーザンバランドの25クラシックウォーク” パック。
その一つは
”自然を楽しみながら ハドリアヌスの長城のベストスポットも
通れるコース” って書いてあります。
じゃあ 行かなきゃ 




スタートはSteel Riggの駐車場
ここから北に進み ぬかるみの牧草地を抜け
葦の湿地帯に入ります。かなり ドロドロ
自然を楽しむって こういう事??などと思いながら歩く、、、、

説明書きには 湿地帯に入るとボードウォーク・板の遊歩道があるって
書いてるけど どこにも見つからない、、、
もう ブーツはほとんど浸水、、、
諦めて他のルートを探そうとしたら ありました!

でも この遊歩道、濡れてるので つるっつるっ なんです、、、
転んで怪我したくないと 湿地帯を歩くドミニク、、、
私は濡れたくないので 恐る恐るゆっくりゆっくり 進む


やっと もう一つの遊歩道とのT路地まできました。
で 振り向くとこのサイン


Footpath Closed!
って 私たちが通ってきた遊歩道の事。
滑るから 危ないって、、、、
それなら 反対側から歩いてくる人たちもいるんだから(我々!)
両側にお知らせ 置いてよー 
これって イギリスの道路封鎖でもよくある!
もっと前の角のとこにお知らせ 置いといてよって、、、

こっちの遊歩道には滑り止めが貼ってあります。




この先から 3つ丘を超えてやっと長城に到着



霧雨に降られたり いきなり暗くなったと思うと お日様が
顔出したり、、、不安定な天気。
でも虹も出たんです、、、写真には撮れなかったけど、、、残念


さて この上の写真は ハドリアヌスの長城ベストスポットの
1つとしてよくでています。
前からどこかなあ と気になっていて、、、
場所の名前は Sycaamore Gap
Sycamoreは真ん中の木の名前、西洋カジカエデ

そしたら ほら ここ


嬉しかったあ





上り下りの11km 結構歩きがいのあるコースでした。